カリキュラム / 第1章 準備 ― 音の材料 入門

スケールとキー ― 曲の“ホームタウン”を決める

7つの音を選んで並べたものがスケール。どの音を“ド”にするかを決めるのがキー。準備編の総仕上げ。

準備編もいよいよ最後です。ここまでで、音の名前・半音と全音・度数を手に入れました。仕上げに、曲の“住む場所”を決める スケールキー を学びます。これが分かると、なぜ曲に「Cメジャー」「Gメジャー」といった名前がつくのかが腑に落ちます。

スケールは「選ばれた7つの音」

ピアノには白鍵・黒鍵あわせてたくさんの音があります。でも、1曲の中で実際によく使うのは、その中から選ばれた 7つの音 だけ。この7音を、低いほうから順に並べたものが スケール(音階) です。

いちばん基本の明るいスケールが メジャースケール。じつはこれ、適当に7つ選んだのではなく、音の距離の並びがきっちり決まっています。下から「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」。呪文のように「ぜん・ぜん・はん、ぜん・ぜん・ぜん・はん」と覚えてしまいましょう。

この並びをドから始めて積んでいくと、ちょうど ドレミファソラシド(白鍵だけ)になります。前のレッスンで学んだ「ミ–ファ」と「シ–ド」の半音が、ぴたりと3番目と7番目の“半”の位置に来ているのを確かめてみてください。「音で確認しよう」でスケールを鳴らすと、最後のドで“帰ってきた”感覚があるはずです。

キーは「どの音をホームにするか」

同じメジャースケールでも、どの音から始めるか(=どの音をホームにするか) を選べます。この選択が キー(調) です。ドをホームにすれば Cメジャー(ハ長調)、ソをホームにすれば Gメジャー(ト長調)

ホームの音は、曲の中で「ここに戻ると落ち着く」という帰る場所になります。Cメジャーの曲を口ずさんで、最後に「ド」で終わるとしっくり来るのは、ドがホームだからです。

ここが大事:キーが決まると、その曲で使う7つの音が自動的に決まります。つまりキーとは「この曲はこの7音で作りますよ」という宣言。曲づくりの舞台設定のようなものです。

キーが変わると、♯や♭が現れる理由

ここで一つ、初心者がふしぎに思うポイントを解いておきます。「Gメジャーにはなぜファ♯がつくの?」という疑問です。

答えはシンプルで、メジャーの距離の並び(全全半…)を守るため です。ソから「全全半全全全半」を守って積んでいくと、7番目の音がどうしても“ふつうのファ”では合わず、半音高い ファ♯ になります。ルールを保った結果として♯が現れる、という順番なのです。決して「ソの曲だから気分で♯をつける」わけではありません。「音で確認しよう」でGメジャースケールを鳴らし、Cのときと同じ“明るい階段”の形になっているのを聴き取ってみてください。

つまずきポイント:♯や♭は「難しさ」ではなく「並びを守った証拠」です。キーごとに♯・♭の数は違いますが、やっていることはどのキーも同じ——メジャーの距離の並びを守っているだけ。ここが腑に落ちると、キーへの苦手意識がなくなります。

準備完了!

音の名前、半音・全音、度数、そしてスケールとキー。これでコードを組み立てる材料がすべてそろいました。次の章からは、いよいよ本題の コードそのもの に入ります。まずは「コードとは何か」を、あらためてこの土台の上で捉え直していきましょう。

🔊 音で確認しよう

ボタンをタップすると音が鳴ります。理屈と響きは、セットで覚えるのがいちばんの近道です。

QUIZ理解度チェック

習ったことを3問で確認しましょう。まちがえても解説ですぐ復習できます。

Q1.「メジャースケール」を作る、音の距離の並び(下から)はどれ?

解説:メジャースケールは『全全半・全全全半』という決まった距離の並びでできています。Cで作るとちょうど白鍵だけ(ドレミファソラシド)になり、半音の場所がミ–ファとシ–ドに一致します。

Q2.「キー(調)」が決めているものは何ですか?

解説:キーは、どの音を中心(ホーム)に据えるかの取り決めです。ホームが変わると使う7音も一緒にずれ、必要に応じて♯や♭がつきます。

Q3.Gメジャースケールを作ると「ファ♯」が必要になるのはなぜ?

解説:ソから『全全半全全全半』を守って積むと、7番目の音がファではなくファ♯になります。並びのルールを保った結果として♯が現れる、という順番で理解するのが大切です。