カリキュラム / 第4章 拡張と借用 基礎
セブンスコード ― もう1音でぐっと大人びる
三和音にもう1音だけ重ねる。それだけで、ジャズやシティポップのあの“おしゃれな響き”が手に入る。
前のレッスンまでで、コードは音を3つ重ねた三和音(さんわおん)だと学びました。じつは、その上にもう1音だけそっと乗せると、響きが一気に洗練されます。ジャズやシティポップを聴いたときの「なんだかおしゃれだな」という感覚。その正体の多くが、これから紹介する セブンスコード です。
三和音に、7番目の音をそっと乗せる
三和音は、ルート(根音)とその上の2音、あわせて3つの音でできています。ここに、ルートから数えて 7番目にあたる音(7度) をもう1つ積み重ねたものが、4つの音でできる セブンスコード(4和音) です。
たとえばCメジャー(ド・ミ・ソ)に「シ」を足すと Cmaj7(ド・ミ・ソ・シ)。たった1音増えただけなのに、まっすぐだった響きがふわりと浮いて、上品な表情に変わります。「音で確認しよう」で、Cメジャーと Cmaj7 を続けて鳴らしてみてください。同じコードの仲間なのに、後者にだけ“大人っぽさ”がにじむのが分かるはずです。
つまずきポイント:「7度=1オクターブ上のこと?」と思いがちですが、違います。1オクターブ上は同じ音名(ドの上のド)なので、いくら足しても響きは濃くなりません。セブンスの7度は、ルートのすぐ手前まで届く“もう少しで一周”の音。この微妙な近さが、あの独特の緊張感を生みます。
足す7度の高さで、キャラクターが変わる
セブンスにはいくつか種類がありますが、最初に押さえたいのは「足す7度が半音でどれだけ高いか」で表情が決まる、という点です。ざっくり整理すると次の3つが代表格です。
| コード | 足す7度 | 例 | 響きの印象 |
|---|---|---|---|
| メジャーセブンス | 長7度(高いほう) | Cmaj7 | 浮遊・上品 |
| マイナーセブンス | 短7度(半音低い) | Dm7 | 落ち着き・都会的 |
| ドミナントセブンス | 短7度+明るい土台 | G7 | 強い緊張・帰りたい |
同じ「7度を足す」でも、それが長7度(シ)か短7度(シ♭)かで、上品に浮くのか、次へ進みたがるのかが分かれます。Cmaj7 と C7 の違いは、まさにこの1音(シかシ♭か)だけ。半音の差が、コードの性格をまるごと変えてしまうわけです。
いちばん大事なのは G7 の“帰りたい力”
数あるセブンスの中でも、進行の主役になるのが ドミナントセブンス、Cメジャーでいえば G7(ソ・シ・レ・ファ) です。じつは三和音のGの時点でも、Cへ帰りたそうな引力はあります。そこに7度の「ファ」が加わると、その引力が ぐっと強まる のです。
この G7 → C、つまり V7 からホーム(I)への強い着地を、専門的には ドミナントモーション と呼びます。「音で確認しよう」で G7 から C へ続けて鳴らすと、三和音のときよりもはっきりした“着地した感じ”が味わえます。この帰りたい力こそ、コード進行を前へ進める推進力そのものです。
ここが大事:セブンスは飾りではなく、進行の推進力を担う存在です。とくに G7 のような V7 は「次へ帰りたい」という強い意志を持ちます。この感覚は、次回の「二次ドミナント」でそのまま土台になります。
まとめ
三和音にもう1音(7度)を重ねると、上品にも、都会的にも、帰りたがる響きにもなる。それがセブンスコードです。とくに V7(G7)の“帰りたい力”=ドミナントモーションは、これから何度も登場する主役です。次のレッスンでは、この帰りたい力を「ホーム以外のコード」にも作れてしまう、二次ドミナントの魔法を見ていきます。
🔊 音で確認しよう
ボタンをタップすると音が鳴ります。理屈と響きは、セットで覚えるのがいちばんの近道です。
QUIZ理解度チェック
習ったことを3問で確認しましょう。まちがえても解説ですぐ復習できます。
Q1.セブンスコードとは、三和音に何を足したコードですか?
Q2.「G7 → C」のように、V7がホームのコードへ強く着地する動きを何と呼びますか?
Q3.Cmaj7とC7の違いとして正しいものはどれですか?