カリキュラム / 第2章 基本のコード 基礎

ディグリーネーム ― コードに背番号をつける

C・F・G…と丸暗記しない。度数で呼べば、キーが変わっても同じ“形”で語れる。

前のレッスンで、Cメジャーの住人「C・Dm・Em・F・G・Am」と特殊な1つが分かりました。でも、このまま具体名で覚えていくと、キーが変わるたびに全部覚え直すことになります。そこで導入するのが、コードの 背番号 ともいえる ディグリーネーム(度数表記) です。これを使えるようになると、コードの世界が一気に見晴らしよくなります。

コードを「キーの中の何番目か」で呼ぶ

やることはシンプルです。コードを具体名ではなく、キーの中で何番目にあるか で呼びます。Cメジャーなら、Cが1番目、Dmが2番目、Emが3番目…という具合に、ローマ数字で番号を振ります。

番号IiiiiiIVVvivii
コードCDmEmFGAm特殊

ここで小さな工夫があります。メジャーコードは大文字、マイナーコードは小文字 で書くのです。だからCは「I」、Dmは「ii」。記号を見ただけで、何番目かと、明るいか暗いかが同時に分かる、便利な仕組みです。

なぜ番号にすると強いのか

いちばんのメリットは、キーが変わっても同じ“形”で語れる ことです。

たとえば大ヒット定番の「IV → V → I」という進行を考えます。

  • Cメジャーなら、F → G → C
  • Gメジャーなら、C → D → G

具体名はまるで違うのに、度数で見ればどちらも「IV → V → I」でまったく同じ形 です。つまり、度数で覚えておけば、どのキーでも同じ引き出しから取り出せる。カラオケでキーを上げ下げしても曲が崩れないのは、演奏者が具体名ではなく、この“形”で曲を覚えているからです。

ここが大事:ディグリーネームは「Cの話」を「どのキーでも通じる話」に翻訳する共通語です。この教材でも、これ以降のコード進行はできるだけ度数(I・IV・V…)で説明していきます。最初は見慣れなくても、使ううちに必ず馴染みます。

まず覚えるのは I・IV・V・vi

7つ全部を今すぐ暗記する必要はありません。とくに登場回数が多いのが I・IV・V・vi の4つ。ホームのI、明るい柱のIVとV、そして切ない代表のvi。「音で確認しよう」で、この4つと「IV→V→I」の流れを鳴らして、番号と響きをセットで馴染ませておきましょう。次の章で、この4人がさっそく主役として活躍します。

第2章のまとめ

三和音の組み立てから始まり、明暗、キーの住人(ダイアトニックコード)、そして度数という共通語まで来ました。これでコードを「読む」準備は万全です。次の第3章では、いよいよコードを 横に並べて、コード進行という“流れ”を作っていきます。

🔊 音で確認しよう

ボタンをタップすると音が鳴ります。理屈と響きは、セットで覚えるのがいちばんの近道です。

QUIZ理解度チェック

習ったことを3問で確認しましょう。まちがえても解説ですぐ復習できます。

Q1.コードを「ディグリーネーム(度数)」で呼ぶ、いちばんのメリットは?

解説:度数はキーの中での“何番目か”を表すので、キーが変わっても同じ進行なら同じ番号列になります。移調しても“形”で語れるのが最大の強みです。

Q2.Cメジャーキーで「G」をディグリーネームにすると?

解説:GはCから数えて5番目なのでV。メジャーコードは大文字で書く決まりなので、小文字のvではなく大文字のVになります。

Q3.大文字の「I」と小文字の「vi」。この書き分けは何を表していますか?

解説:大文字はメジャー、小文字はマイナーを表す慣習です。だからIはメジャー、viはマイナーだと、記号を見ただけで分かります。